【研修】障がいの世界を体感する

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障がいの世界を体感する

オープン前の社員研修として、
表参道にあるダイアログ・イン・ザ・ダークに行きました。

そこでは、視覚障がい者のスタッフさんがアテンドとして
純度100%真っ暗闇の空間の中を、白杖(はくじょう)をもちながら、
トンネルを潜ったりして探検し、落ち葉の上を歩き、
音を体験し、ものを作り、カフェで食事をする。

視覚障がい者の方がどういう世界に生きているのか
体験するというものです。

どんなに目を凝らして見渡そうとしても、漆黒の暗闇。

五感の中の、視覚がまったく効かない状況の中
視覚障がいのアテンドの方がガイドしてくれるツアーです。

落ち葉の上をザクッザクッと歩く音、水の滴る音。
木の葉の自然の香り。お菓子のような甘い香り。
ざらざらとした木のような感触。フワフワとしたコットンのような感触。

視覚が奪われた中、アテンドさんのガイドや参加者の声が一番の頼り。

私たちのグループでは、ロッキーという愛称の
視覚障がいの20代の男性がアテンドさんでした。

ロッキー「皆さん。私の声のするところから、右側のほうに移動しますね」

参加者「ロッキー。どこです??」

ロッキー「こっちですよ。この先、トンネルを順番にくぐります」

自分「ヤスです。ここにいます!前、進みます!ぶつかったらゴメンナサイ。あ、ここ入り口です。」

日常では、LINEやメール等で声に出さないコミュニケーションが増えている中。
ここでは、声を頼りにして共に協力しながら行動しツアーが進みます。

暗闇の中で起きる感情の変化

16ツアーでは、そこの会場で初めて出会う他の参加者さんも、一緒のグループとして動きます。
ツアーの最初は自分が使う白杖選び。それの使い方を教えてもらい。
その後、互いに簡単な自己紹介をしてから、探検が始まります。

日頃体験しない真っ暗闇の中。
一歩前に進むことにさえ、最初は抵抗があります。
どこに進めばよいのか分からない。人にぶつかってしまいそう。

”ぶつかったり、怒られたりしないか。”
”女の子に手が当たって勘違いされたり、嫌な思いさせてしまうかも”

一面が真っ黒。本当に何も見えず。

『 こわい 』

そんな思いを持ちつつ、白杖を使いながら
アテンドや周りの方の声を頼りに進みます。

数分後には、こわい。という感情が消えていきました。
皆が皆を気遣っているような会話ばかり。

「◯◯さん、ついてきてる?ここだよー」
「ねぇ。これ触ってみて!穴あいてるのわかります?」
「ここにトンネルあります。高さは130cmくらいかな。気をつけて!」

『こわい』 という感情が、 『人って温かいな』『居心地がいいな』
そう思えるようになりました。

そして、ここまで声出ししてのコミュニケーション、日頃していないよね。
という、気付きも得られました。

障がい者は、スーパーマン!

superman_heroわたしがこのツアーを通じて、一番印象に残ったこと。
それは、「カフェ」での出来事です。

真っ暗闇。

その空間の中にカフェがあります。
そこには、段差のあるフロア。
甘い香りが漂います。

サービススタッフの女性の方(この方も視覚障がい者)が
ウェイトレスさんとして案内してくれます。

「ここに大きなテーブルと椅子があります。
どうぞ。あなたの椅子はこちらです。ゆっくりとお座りくださいね」

得体のしれない固いモノ、それは確かにあります。
真っ暗闇で手探りな状況。

大きめの木製であろうテーブル、同じく木製と思われる椅子。
言われてみて、多分これがそうなんだろうな、と分かる程度です。

「本日はドリンクと軽食をご用意しています」
「ドリンクは、りんごジュースが✕✕円。ジンジャエールが✕✕円。
その他にも、ホット系として・・・」
「軽食は、おつまみセットが✕✕円、お菓子の詰合せが✕✕円。
どんなお菓子かというと・・・」

真っ暗闇ですので、メニュー表を見ることもできません。
声でメニューを案内され、それを頼りに一人ひとりがオーダーしていきます。

ウェイトレスさんも、書き留めることも出来ません。
グループ全員のオーダーを、それぞれの位置関係と声で記憶していきます。

その後。

カチャカチャ。
カランカラン。
トクッ、トクッ、トクッ。

音が聞こえてきます

グラスを用意し。氷を入れて。ドリンクを注いでいることが
真っ暗闇の中ですが、うっすらと音で分かります。

待つこと数分。
真っ暗闇なのは変わりません。
カッ、カッ、カッ・・・

暗闇の中、皆がオーダーしたものをトレーに載せて、
運びに来ているであろうことを察します。

「お待たせしました。右手の奥の当たりにグラスを置きますね!」

手元に運ばれ手探りで分かったことは、コップのようなグラスではなく。
ワイングラスのような持ち手のあるグラスであること。

どちらかというと倒れやすいグラスをトレーに載せて。
段差のあるフロアーの中、白杖も使わずにトコトコ歩きながら
スムーズに運んできてくれるのです。

私たちは、歩くこともままならず、座ることも一苦労なのに。

後片付けもスムーズで、ジャーというシンクに当たる水の音と
カチャカチャという音で洗い物をしているな、ということが分かります。

思わず、質問をしている自分がいました。

「先ほどから全部スピーディーに対応していて。
暗闇の中、本当に見えていないんですよね?
熱いものも扱ったり、怪我はしないんですか?」

笑顔だろうなということが分かる、明るい声で応えてくれました。

「私たちにとってはこれが日常なので!
凄いことでもなく、普通のことなんですよ」

ロッキーも元々は見える側の人だったと話してくれました。
思春期の途中で網膜剥離のため、視覚を失ったとのこと。

最初は、そのことに戸惑いと不安ばかりしかなかったそうです。

いまでは、感覚が研ぎ澄まされたことで、そうした能力が身についたほか、
人の温かさに触れる経験が多くなったこと、仕事を通じて「ありがとう」の
言葉ももらえることになった、と幸せそうでした。

価値感の転換

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このツアーの終盤。光に目を慣らす場面があります。
アテンドをしてくれた障がい者のロッキーへ、感謝の言葉を伝えました。

実は、その言葉の裏では、『恥ずかしいな』 と感じてました。

わたし自身、まだどこかで障がいをもつ方々やそのご家族の方に対して
どこかで ”可哀想” ”大変” ”生きづらい” ”助けてあげるべき存在”
という風に、どこかでそう見ていた部分があったな、と。

障がいと聞くと、世間一般では福祉を通じてサポートを受ける立場の方々で
どちらかというと弱い側の立場にいて、守ってあげるべき存在のように。

その空間では、まったくの逆でした。

私たちこそが、障がいの方々の手を借りなければ、一切何もできないのです。

ロッキーのガイドがないと、移動することも出来なかった。
ウェイトレスさんがいなければ、喉を潤すことも出来なかった。

障がい者の方々に助けられ、素直に感謝できた時間でもありました。

さて、これまで世の中に変化を与えて来た偉人と言われる方々も
発達に障害があったのではないか、とも言われています。

最近のニュースで、初のブラックホールからの重力波観測が話題になりました。

重力波については、100年前にアインシュタインが予言していたとのことですが、
そのアインシュタイン、発語が遅く自閉症だった可能性が高いようです。

iPadやiPhoneを作ったアップルコンピュータ。
創業者のスティーブ・ジョブズは、細部にまでこだわりを持ったり、
子どもの頃から手がつけられなかったことから、
ADHDの発達障害の可能性が高いともいわれています。

日本でも、明治維新のキッカケをつくった坂本龍馬は
10歳を過ぎてもお漏らしをしたり、食事もボロボロと食べたり、
袴も自分で着れないなど、ADHDの発達障害があったのでは
といわれています。

そう考えると、今こうして平和で便利な日本社会を私たちが過ごしているのも
特定の分野で突出したアイデアや想像力を発揮する
発達障害といわれる方々のお陰なのではないかとも考えられます。

社会の中の新しい人間関係

love-856181_960_720いまの社会は、伝達手段だけを取っても、
ネット、メールやLINEといった方法が増えました。
物事を伝え・連絡するといった手法もデジタル化され多種多様になりました。

デジタルであると履歴が残るので、言った言わないの問題がない。
検索ができるので、情報を引き出すことが早い、といったように
コミュニケーションが便利になったと感じるときもあります。

が、研修としてダイアログ・イン・ザ・ダークの体験を通じ
声を通じた会話によるコミュニケーションの大切さをあらためて感じました。

社会において、インターネットなどの技術も発展し生活はより便利になっています。
オートロック、監視カメラをはじめ、セキュリティ性も高まりました。
便利で安全性の高い世の中にもなってきていると思います。

一方で、隣の部屋に住む人の顔を知らないという割合が6割いるという
アンケート結果もあります。

自己中心で人に興味がなく、関わらなくともいい関係。
世の中、便利になったことで他人に無関心であったとしても、
生きることにそう苦労しない時代になった、とも言えます。

多くの人は街中の障がい者の姿を見ても、積極的に関わることはせず
ある人には存在すらも見えていないかもしれないし、
困っている風に見えても声を掛けないかもしれません。

そうした「無関心」な状況から、教育などを通して
「障がい者は助けなければならない」とか
「弱者はかわいそうだから◯◯してあげないと」

そう意識すると、関係性にも変化が起きてきます。
そうした社会の流れが、放課後等デイサービスの数が増えている要因に
なっているのかもしれません。

が、その先のフェーズとしてのあり方を
「このこのリーフ亀戸」は考えています。

・人は相互に平等である。
・そこに健常者・障がい者といったレッテルはない。
・互いに多様性を認め合う。
・相互に「ありがとう」と言い合える関係。

というように。

ダイアログ・イン・ザ・ダークで体感したようなことを
利用者のお子さま、保護者の皆さまへもサービスを通じて
共有していきたいと考えています

対等な信頼関係の中から、
声によるコミュニケーションを大事にしながら。

<ダイアログ・イン・ザ・ダーク>
良かったら、ぜひ足を運んでみてくださいね!

どういう体験ができるか。
画像つき記事は、ここに詳しくあります。

このこのリーフ亀戸 代表 山口

~施設見学にいらっしゃいませんか?~

このこのリーフ亀戸は、12月1日にオープンを迎えた
東京都指定の放課後等デイサービスの事業所です。

現在、利用児童さんの募集を行っております。
施設見学ご希望の方、ご質問のある方は
お気軽に下記までご連絡ください。

住  所 江東区亀戸七丁目3-7 伊藤ビル1階
電話番号 03-6802-9188
受付時間 11:30 – 19:00 [ 日・祝日除く]
お問い合わせはこちらから

江東区亀戸の放課後等デイサービス このこのリーフ亀戸

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